連日
、「食と農の推進条例」の策定のため協議を続けていますが、条例の名称は別として、農業者が
安全な農産物の生産と
環境保全に取り組み、農業の持続的発展のために
富山県適正農業規範を策定するための条例づくりに目指しています。
その経緯は下記のとおりです。ちょっと長くなりますが読んでみてください!
経緯
戦後日本農業は、農家の所得向上と農産物の量的確保を目指して、基盤整備や機械化、化学肥料や農薬の開発により飛躍的に発展してきました。
本県農業においても、豊かな自然環境、とりわけ恵まれた水資源を治め、活用することにより水稲を中心に発展を遂げてきました。
時代の変遷に伴い、外食産業の発展や輸入農産物の反乱、そして健康志向や安全志向の高まりから農産物を取り巻く環境の大きく変化し、今日では減農薬や有機栽培など健康と環境にやさしい農業は求められる時代となっています。
こうしたなか、ヨーロッパにおいては大気汚染や農薬・肥料の多投等による大規模な環境破壊を経験し、1970年代から環境保全型農業、持続的農業への施策がはじまり、今日ではEU共通農業施策として農業適正規範の策定による、EU諸国の農業保護と環境保全施策を実施しGAP(適正農業規範)が国際的ルールとなりつつあります。
国内においても
、「人間活動と自然環境の調和」を目指す農林水産業を構築するために、農業における基本的約束事である
適正農業規範(GAP規範)及び
適正農業基準(GAP基準)を策定し普及しようとする動きが顕著であり、政府においてもGAPの普及を念頭に置いた施策が打ち出されています。
本県農業者は、当然のことながら化学肥料や農薬などの使用においては、法令や規準を遵守し適正な生産活動を行っているところであります。
しかし、豊かな森林や豊富な水資源、富山湾に至る河川の形状など恵まれた環境の中で、ともすれば農業生産が及ぼす水質汚染や土壌汚染などへの関心の薄れや対応の不備などが懸念されています。
県内において、水稲や大豆・麦などの生産拡大と高品質による産地化やブランド化に積極的に取り組むとともに、自給率の向上や特色ある農産物・園芸作物振興のため施策を推進しており、さらに、県内産農産物の地産地消運動の展開による県民運動を展開し、富山県農業の振興と県民に安全・安心な農産物の提供に努めております。
このような背景を踏まえ、農業者が自らの農業生産活動が消費者の健康を左右し、環境に負荷を与えうることを一層自覚することが大切であり、よって、農業規範に基づいた適正な農業生産活動が人の健康お守り環境の保全に通じ、消費者の信頼を得ることにより、持続的な自らの農業生産と富山県農業の発展につながるとの認識に立って、富山県適正農業規範の策定及びその普及に取り組むものです。